【パリ、キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナで、100人以上の選手が今夏のパリ五輪の出場資格を得る見通しであることが25日、分かった。ウクライナ・オリンピック委員会のフトツァイト会長が共同通信の取材で明らかにした。26日で開幕まで半年。国際オリンピック委員会(IOC)がロシア勢の参加を条件付きで容認した判断への反発も根強く、世界で分断が広がる中で開かれる「平和の祭典」の意義が問われる。

 ウクライナ五輪委によると、レスリング男子のジャン・ベレニュクが獲得した唯一の「金」を含むメダル19個だった2021年東京大会は150人以上が参加した。半年後のパリ大会でも近い規模になる見込みだ。

 2月24日で侵攻開始から2年。ウクライナでは400人以上の選手やコーチが戦死し、約500のスポーツ施設が破壊されたという。スポーツを取り巻く国内の環境は極めて厳しく、依然として国外で練習する選手も多いが、既に50以上の出場枠を得たとしている。フトツァイト氏は「(最終的に)100人以上になると思う」と語った。